国立成育医療センター

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 慈恵医大に通い始めた手前、迷いに迷ったのだが、一度行ってみたいと思っていたのでやはり行くことにした。前回の慈恵医大の受診の際に返してもらったCTのフィルムと、わざわざ足を運んで書いてもらった埼玉医大の紹介状を持って、9時半までに着くように家を出る。準ラッシュ時の東上線に乗るのは久しぶり。おまけにダイヤが乱れていてさんざんだったが、成城学園前からはすぐバスに乗れなんとかたどり着いた。
 建物は近代美術館さながら。吹き抜け・大きなガラス窓で明るく広々としており、とても病院とは思えない。受付をすると大きなポケベルが出てきて、その液晶画面に「2B待合に来てください 脳外科」などと指示が出る。病院内にいれば待ち時間を有効に使えるという点でよいシステムだが、裏を返せばそれだけ待ち時間は長い。
 まず予診科に受診。これは脳外科などの専門科にかかる前に問診その他で状態を把握するためのもの。これがまたものすごく待たされたが、すべての科が連携しているらしく、「口の開きが悪い」と言ったらすぐ口腔外科に電話して診察してもらうよう手配してくれたり、ここが終わったら脳外科から指示が入ったりという具合。
 口腔外科(歯科)では、例によって仰向けに寝かされた訓子は大泣きだったが、先生は「確かに泣いても横に開くくらいで開きが悪いけれど、開かないわけではなさそう。少し様子を見ましょう。顔(頭)のレントゲンを撮ることがあったら見せてください」とのこと。
 脳外科に呼ばれた時はすでに午後だった。脳外科は外来は1室のみ。入っていきなり先生自身が点滴をしているのに驚いた。顔色もよくないので過労&寝不足なのだろう。訓子のフィルムをじっと見ていた。この手の病気には慣れているようだった。脳外科ではシャントの管理が主になり、特に問題がなければ2~3ヶ月にいっぺんの外来診察でよいが、むしろ泌尿器(尿の管理)はすぐに必要ということで、その場でCT・レントゲン撮影の予約、泌尿器科の受診の予約をちゃちゃっと入れていた。必要であれば医師が直接、関係科の医師に携帯で電話をして話をつけるというところが、慈恵医大の二分脊椎外来が目指していながらなかなか軌道にのらないシステムなのだろう。またここでは、階は違ってもすべてのことが同じ建物の中で済む。診察はどの科も2階で、複数科にかかるのが前提となっているようだ。そしてやはり小児病院なので、雰囲気が明るく、プレイルームや本がそこらじゅうに用意されている。今度は覚も一緒に連れてこよう。
 子供のCTは寝ないと撮れないので、まず麻酔科を受診し、眠くなる薬を飲ませ、しばらく暗室で寝かせておく。撮った後、きちんと麻酔が醒めたか確認してから帰るため、思いがけず長丁場になった。泌尿器科は、医師の都合がつかず次回の診察となった。尿を調べるため検尿キットを渡された。
 8時過ぎに家を出て、帰ったのは夕方6時すぎ。お昼を優雅になんてとんでもなく、すべての予定が終わったあと地下1階の喫茶コーナーでおにぎりとサンドイッチをつまむ羽目になった。が、一日がかりを決め込んで合間の時間をうまく使えば、一日いて苦になる場所ではないので、少し遠いけどここに通うことにした。慣れれば祖師ヶ谷大蔵を探索するのもいいし。明日、慈恵医大にキャンセルの電話を入れよう。